上場会社3社比較ランキング
このページでは、株式会社ベクトル・共同ピーアール株式会社・株式会社プラップジャパンの上場3社のみに絞って業績を分析していきます。この3社はPR業界の中でも好業績を収めている企業であり、ピックアップして分析することが有意義であると判断しました。
まずは各企業の企業情報・諸データ表です。
資本金トップのベクトルは2012年4月に増資により4億9500万円→5億880万円へ。その後、6月から2013年2月までの間にアジアに3つの現地法人を設立アジアのネットワーク強化に力を入れていくことが伺えます。
続いて、共同PRは3社のなかで最もグローバルに活動していると言えます。ロンドンとミュンヘンに支社を持ち、世界的なアメリカのPR会社「ルーダー・フィン」と業務提携しているなどグローバル事業に強い印象を受けました。
プラップジャパンは、共同PRとともにJASDAQに上場しています。海外展開は中国の2社だけにとどめていますが、事業規模は他社と比較しても大きいと言えるでしょう。
(社)日本パブリックリレーションズ協会の『2011年 広報・PR業界実態調査報告書』の調査項目[海外とのネットワーク]によると、「海外とのネットワークは特にない」と回答しているのは50%であるので、上記3社のグローバル戦略は特筆することができます。
以下、各種データをグラフ化して所感をまとめていきます。
連結売上高比較グラフ
グラフを見るとベクトルがこの4年間で大きく売上を伸ばしていることがわかります。他方で、プラップジャパンは横這い、共同PRは少しの売上減となっています。
2012年日本の総広告費は5年ぶりに増加と、これまで減少傾向であったことから言えば売上があまり伸びなかったこともしかたがないかもしれません。しかしPR業界に絞ると、推定の市場規模は2006年は653億円、2008年は741億円と13.4%も伸びています。2009年以降は市場規模調査が行われていないものの、依然として成長産業であることが想定されています。不況下であるからこそ、消費者へプロダクトを供給するためにPR業務の重要性が高まると考えるPR企業も多いことから、そのチャンスの波にベクトルが上手く乗ることができたと言えるのではないでしょうか。
連結経常利益比較グラフ
経常利益ではその差がはっきりとでています。ベクトルがトップで、プラップジャパン、共同PRと続いています。
次にここで営業利益との比較をしてみましょう。
ベクトルは連結経常利益が7億700万円に対して、営業利益は7億2100万円。
共同PRは連結経常利益が1億1400万円に対して、営業利益は1億800万円。
プラップジャパンは連結経常利益が4億4700万円に対して、営業利益は4億4700万円。
ベクトルのみ営業外費用>営業外収益であり、営業外収支が少しのマイナスになっていることがわかります。ですが、営業利益ではベクトルが他を大きく引き離しており、その勢いの良さを見せつけています。
連結売上高成長率(3ヵ年)グラフ
連結営業利益成長率(3ヵ年)グラフ
連結経常利益成長率(3ヵ年)グラフ
資本金比較グラフ
資本金トップのベクトルは2012年4月に4億9500万円→5億880万円へと増資しています。しかしそのギャップは1億円弱であり、事業規模の大きさから言っても大差はそれほどないと言えるでしょう。